歴史

世界で最も小さい犬で、メキシコのチワワ州にちなんで名づけられました。ここから旅人たちによって運ばれ、世界中の人々に知られる存在になったのです。コロンブスによるアメリカ大陸発見以前、大陸の原住民にとってチワワは神聖な存在でした。おそらくチワワは北米原産の犬種のなかでも最も古い歴史を持っています。体重が1kgにも満たないような、本当に小さなワンちゃんが珍重されます。人の手のひらの上に4本の脚で立つことができるほど、小さなチワワもいるのです。毛が長い種類もいて、別に扱われますが基本的には同じ犬種です。経済的で飼いやすい家庭犬として、人気がある犬です。

特徴

アップルドームといわれる丸い頭に、鼻先が短くつんと突き出したかわいらしい犬です。丸くて大きな目は深い色で、深いルビー色や明るい色の場合もあります。トレードマークの大きな耳は、ピンと立っています。子犬の頭のてっぺんには柔らかい部分があり、これを「モレラ」といいます。この骨の間の溝は通常成犬になると閉じていきます。胴体はたくましくて細長く、尾は背中や体に向かって、鎌のようなカーブを描いています。ほとんどが短毛ですが、長いものもいます。毛は砂や栗、鹿などのような茶色っぽい色、銀色や鋼鉄のような青っぽい色などがあります。もちろん黒と褐色などのまだらになっている場合もあります。見た目はか弱い印象ですが、実際は丈夫で、背中の線はぴんと伸び、まっすぐ伸びた脚はしっかりと地面を踏みしめています。

飼育のポイント

チワワは、子どもと遊んでいて噛むことがあります。体が小さく逃げ足の遅いチワワは身を守るために、その鋭い歯に頼ってきたのです。寒いのが苦手で、凍えてしまうことがあるため、寒い時にはセーターを着せても嫌がらないどころか、むしろ喜びます。また、キャンキャンとうるさく吠えることがあります。しっかり運動も必要です。小さいからスペースも必要ないと考えてはいけません。トイレトレーニングには根気が必要なことも。多くの飼い主が紙の上でトイレをさせるようにしつけています。鼻が短いので、すぐにゼーゼー言ったり、いびきをかいたりします。特徴的な目は、角膜が乾燥しやすいため緑内障になることもあります。その他にも、膝蓋骨脱臼、歯肉病、寒さ、ストレス、リューマチなどには注意しなくてはいけません。とくに、有害物質、肥料、チョコレートなどをなめたり食べさせたりすることは厳禁です。太りやすい体質なので、食事は軽めに与えましょう。子犬のチワワの頭は大きいことが多く、出産には腕のある獣医による帝王切開が必要になる場合もあります。また、他の犬に対してケンカを仕掛けることのないように、子犬のうちから慣らしておく必要があります(チワワは同種の犬はよくても、他の犬種とは仲良くしないということが時々あります)。

性格

家庭で飼うのに適していますが、大胆でちょっと生意気なところもあります。踏まれないようにすばやく動きます。意志が強く人の言うことによく従います。人になつきますが、人にかまってほしがる気持ちも強い犬です。知性もあり、飼い主や縄張りを守ろうとする気持ちにあふれています。的確でやさしくほめられるしつけには一生懸命に答えます。他の犬と一緒にいても、ほとんど問題はありません。